検査機器のメカニズム・58
モルフォメトリー—自動映像解析装置
横山 武
1
,
桜井 達夫
2
,
早乙女 幸恵
2
1自治医大病理
2自治病院病理部
pp.1088-1089
発行日 1976年10月15日
Published Date 1976/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909516
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病理形態学においては,モルフォメトリー(Mo-rphometry)に関して多数の研究が成されている.簡単なものは,組織標本内の細胞,核の大きさの測定である.普通この種の研究の対象になるのは肝細胞核が多く,この場合核は球ないし楕円球とみなされるので,核の直径または長径および短径を測定する.現在この際に使用されるのは回転式ミクロメーター(Schraubenmikrometer)で,測定値がデジタルに表現される器械もある.この径から円,楕円,または球,楕円球として計算する.組織標本を写真に撮り,拡大し,プラニメーターで測定するような方法もある.
戦後になっていわゆるPoint counting methodがよく使われるようになった.これは組織標本のある部分の占める面積比を算出するように工夫された原理である.すなわち肝細胞核のように大凡円,楕円形を示すものであれば,その径から面積は算出できるが,一定の形をとらぬものには応用できない,Point countingの原理(図1)は,一定数の平等に分布した点を,測定する組織の部分が占める比率で表現されるわけである.同一部分を方向を変えて何回も測定すれば精度は良くなる.この原理に従った一定の装置,Integrating Microme-ter-disk Turret I (C.Zeiss社)があり,デジタルになっているものもある(Contron社;MOP).
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