中検へ一言・中検から一言
患者さんとともに,他
小栗 隆
1
1愛知医大・内科
pp.932-933
発行日 1976年9月15日
Published Date 1976/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909479
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筆者は血液部門を担当している内科医の一員であるので,常日ごろ多くの中検の技師の方々と接する機会は多い.今回"中検へ一言"の原稿を依頼されたので,いい機会であるので医者として,また中検側への要望として,現状の検査の在り方を反省してみたい.最近の臨床検査法の進歩は著しいものがあり,しかも中検の機能の重要性は日ごとに高まっている.仕事の内容も自動機器の導入により多様化し,しかも流れ作業式の形がとられている.今後はまた中検の位置付けは患者の診断,治療に際してますます検体の微量化,得られたデータの処理の迅速化が望まれることであろう.このような現況と将来の方向付けを考えるとき,医者側と中検の方々が愚者より得られたデータをめぐって絶えず検討し意見を交わすことが必要であることは論をまたない.高度な自動機器によって得られたデータが,必ず正確な患者の病態像を示しているとは限らない.例えばCoulter Counter Mo-del Sは電気特性検出型の自動血球計数器であるが,抗凝固剤の種類によって血球容積が動揺し,赤血球恒数が変化する.これらのことは医者側と中検の方々との密接な連絡および検討がなされなければ赤血球恒数の誤った読みから,患者の正確な病態像の把握が不可能となり,患者の治療に誤りが惹起される.
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