技術講座 病理
細胞診検体の取り扱い方・6—神経系
国実 久秋
1
1杏林大病院病理部
pp.67-70
発行日 1976年1月1日
Published Date 1976/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200976
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細胞診のために提出される脳神経系の液状検体は,極めて少量で細胞数も非常に少ない.従って,通常の遠心沈殿法では細胞の回収率が低いため,診断するに十分な量の塗抹細胞を得ることが困難であった.しかしながら,ポアフィルター(pore-filter)法が考案されてからは細胞の回収が容易となり,神経系細胞診の診断価値が高まってきた.そこで,通常,我々が行っている集細胞法,特にポアフィルター法を中心にした処理方法とその長所と短所を述べる.また我々は脳手術材料の術中迅速診断の際に組織を圧挫した圧挫標本を凍結迅速標本の補助標本として利用し,脳腫瘍の診断に効果をあげているので,圧挫標本作成法についても述べてみたい.
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