追悼
古畑種基先生を偲ぶ
三木 敏行
1
1東大・法医学
pp.769
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909041
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去る5月6日,古畑種基先生は83歳で永眠された.ご永眠後今更のように,その高邁であられたご人格と,偉大な学問的ご業績が偲ばれる.先生はわが国の法医学界における文字どおりの第一人者として,法医学の発展のために尽くされた.純学問的な枠内にとどまらず,法医学の実際面でも活躍され,先生の関与された犯罪事件は数多く,その中には世間の目をひいた難事件もあり,法医学の目的とする社会の治安の維持,福祉の増進に貢献されるところが大きかった.
先生は単に法医学界のみならず,遺伝学,人類遺伝学,人類学,犯罪学,医事法学,臨床病理学にも強い関心をもたれ,それらの領域におけるご研究も少なくない.更に晩年には医学の領域を越え,広く自然科学の知見の犯罪捜査上への導入に尽力された.
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