日常検査の基礎技術
IgEの定量法
伊藤 幸治
1
1東大物療内科
pp.91-97
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908850
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IgEはプラウスニッツ,キュストナー反応(Prausnitz-Küstner反応,ヒトの受身皮膚感作反応)で証明されるレアギンのキャリアーとして石坂博士夫妻により発見された免疫グロブリンであり,アレルレギー性喘息,アレルギー性鼻炎,ある種の食事アレルギーおよびある種の薬物アレルギーなどの即時型アレルギー(I型アレルギーともいう)の症状発現に重要な役割を果たしていることが明らかにされた.その分子量は約200,000である.IgE分子は組織中の肥満細胞や血中の好塩基球に固着する性質を持ち,対応する抗原がIgE抗体に反応すると,それらの細胞よりヒスタミンやSRS-Aが遊離され,これらの化学伝達物質が平滑筋を収縮させたり血管透過性を増強させたりしてアレルギー症状を発現させるとされしている.
IgEの血中濃度は平均0.3μg/mlという微量であるため測定は困難であったが,スウェーデンのJohanssonとBennich両博士によりIgE骨髄腫患者が報告され,その患者より得られたIgE骨髄腫タンパクとその抗体を使ってラジオイムノアッセイ(radioim-munoassay)によりIgE測定の道が開けた.
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