総説
血清中LDH活性測定
中 甫
1
1三井記念病院中検
pp.23-30
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908833
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乳酸脱水素酵素(LDH;L-Lactate:NAD oxidoreductase,EC 1.1.1.27)はNAD-NADH系を補酵素とし,次のような可逆反応を触媒する酵素である.
(式省略)
血清中LDH活性を測定する場合は,pyruvateを基質とする方法(P→Lと略す)とlactateを基質とする方法(L→Pと略す)の両方が用いられる.測定法は更に,最終的に何を測定するかによって数種類に分類できる.ここでは各測定法について論じることが目的ではないのでそれらの解説は省略する.さて,最初に標準化が論じられねばならない背景について考えてみたい.臨床化学分析の精度管理にX-R管理図方式が導入されて以来,同一検査室内における測定の精密度は年々上昇の一途をたどっている.しかし各種団体で施行されているコントロールサーベイの結果をみると,検査室間の測定値の間に差がみられるのである.それは酵素活性測定において特に著しい.このことは測定値の正確度に差があることを意味する.近年自動分析機の導入により,更にその傾向が増大している感がある.本来同一物質を測定している場合には,それぞれの測定法の誤差の範囲内において各検査室の測定値が一致するはずである.
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