特集 日常臨床検査法
Ⅵ.病理
1.産婦人科領域において,感染症あるいは治療の細胞診所見に及ぼす影響
石束 嘉男
1
1厚生中央病院産婦人科
pp.1519-1525
発行日 1974年12月25日
Published Date 1974/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908820
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膣・頸管細胞診で認めうる細菌ないしはその他の微生物はかなり多岐にわたり,そのうちあるものは常在非病原性であるが,ときには病原性のものもあり,いずれも上皮細胞に対し一定の細胞学的変化を惹起するものも少なくない.したがって,病原菌それ自体の認識はもちろん重要であるが,逆にある一定の特異な細胞変化を認めることにより,それを引き起こした微生物の存在を推定しうる場合も少なくない.
今回は産婦人科領域,主として膣あるいは頸管部にて炎症性変化を起こしうる微生物について概説するとともに,それによって引き起こされる細胞学的変化を述べ,さらにそれとはやや趣を異にするが,機械的刺激による組織修復に伴う細胞変化についてもふれてみたいと思う.
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