技術解説
院内感染源の検査法
金子 有之
1
,
大貫 寿衛
2
1済生会中央病院検査科細菌検査室
2済生会中央病院・内科
pp.1269-1276
発行日 1974年11月15日
Published Date 1974/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908749
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
抗生物質の開発とともに,薬剤耐性菌による院内感染がふえている,その原因は,各種血液疾患,腎不全,糖尿病などの本来感染に対して抵抗の弱い疾患のみでなく,抗癌剤の使用,レントゲン線の照射などにより,患者が細菌の感染に対して抵抗が弱くなっていることと,抗生物質の多用によって耐性菌がふえていることにあると言えよう.
院内感染の起因は,病原菌の付着している診療器具,あるいは医療薬品などで患者を治療する時に,病原菌を患者に,医療従事者が健康保菌者となり患者に接する,患者が細菌の付着している物に触れるなどの何らかの方法で患者が病原菌に接するところから始まる.病原菌保菌患者から医療器具,医薬品,医療従事者などを介して他の患者へ,また病原菌保菌患者から直接他の患者へと感染を起こしていく,このようにして院内感染は広がっていく.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.