研究
オートアナライザーⅡ型による尿素窒素クレアチニンの同時測定法
大山 貴美子
1
,
伊藤 みどり
1
,
北村 元仕
1
1虎の門病院臨床化学
pp.762-764
発行日 1974年7月15日
Published Date 1974/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908603
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はじめに
古くから血清尿素窒素は,腎機能障害の診断・治療の指標とされてきたが,食事(おもにタンパク質)などによる変動が大きく,慢性・持続性腎不全の指標にはなりにくかった.一方,血清クレアチニンは,健常時に常に一定の値を示し,外因性の影響をほとんど受けないため,腎機能不全の指標として有効であることがしだいに認識され,今日では尿素窒素,クレアチニン両者の組み合わせ測定が,臨床上重視されるに至っている.特に,人工透析患者の透析効率の判定,術前・術後の管理などにおいて,両者の動態の組み合わせが注目され1),緊急検査としても需要が急速に増えつつある.
私たちはこのため3年前にオートァナライザーⅡ型(Technicon社)による尿素窒素,クレアチニンの同時測定を採用したが,その後日常検査の中で生じた問題点を解決し,安定性の改善と処理能力の増大をはかった改良法をくふうした.反応の原理は同じである.改良の要点は,カムの変更とこれに伴うチューブ系の調整によって80検体/時に処理能力を増大させたこと,クレアチニン反応系に恒温槽を導入して安定性を高めたことなどである.
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