増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
1.生化学検査
7)尿素窒素,クレアチニン 技術編
森下 芳孝
1
1名古屋大学医学部附属病院検査部
pp.718-720
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903834
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測定法の実際
1.尿素窒素(urea nitrogen;UN)
血清中の尿素窒素測定には,国内の約9割近い施設が酵素法であるウレアーゼ-グルタミン酸脱水素酵素-紫外部法(urease-GLDH-UV法)を採用している.この方法には,ウレアーゼ反応を行う前に血清中の既存の内因性アンモニアを消去する消去法(図1)と,消去しないでそのままウレアーゼ反応を行う未消去法の2種類がある.前者は後者より,より正確であり,採用施設数が年々増加している.
一方,尿中の尿素窒素測定では10〜20倍に希釈した尿検体を使用するが,尿中には非常に高濃度の内因性アンモニアが含まれるため,上記の方法では完全には消去しきれない.そのため,同反応系にイソクエン酸脱水素酵素を添加することによって,高濃度のアンモニア消去を可能にした改良法が採用されている.
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