走査電顕の目・17
膀胱腫瘍
木下 英親
1
,
田崎 寛
1
1慶大泌尿器科
pp.571-572
発行日 1974年5月15日
Published Date 1974/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908551
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膀胱腫瘍は尿路腫瘍のうらで最も多く,重要な疾患である,60〜70%は肉眼的血尿を初発症状として起こり,大部分は無症候性血尿である,頻尿,残尿感,排尿終末痛などの膀胱炎症状を起こす場合は,膀胱炎治療により症状が軽快してみすごされ,しばらくしてまた再発が起こるようなことも多い.難治あるいは再発性の膀胱炎では膀胱腫瘍の存在を頭に人れておく必要がある.
診断法としては,膀胱鏡検査が最もすぐれており,多くの揚合これにより確診される.尿中細泡診は,職業性膀胱癌(染料工場など)のスクリーニング,膀胱鏡検査不能の症例,膀胱鏡的に診断不能な上皮内癌(Carcinomain situ),潜伏期癌,膀胱腫瘍治療後のフォローアップには不可欠な診断法である.
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