Senior Course 生化学
自動化学検査・4—酵素活性測定(総論)
中 甫
1
1三井記念病院中検
pp.466-467
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908522
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自動分析機で測定される検査項目は,機能検査別にみても検査件数の多い項目からみても血清酵素が必ず含まれる.中でもGOT,GPT,LDH,Al-Pは自動化が望まれる検査項目の首位にあげられるであろう.それぞれの酵素の各論については,次号以下にゆずり,ここでは酵素活性を自動分析機で測定する場合の基本的な考え方について述べる.
周知のごとく,酵素は他の成分分析と異なり生物学的活性を測定することになるので,測定結果に影響を与える因子が多く用手法においてもしばしば問題となる.一般に酵素活性測定法には,反応初速度を測定するrateassayと一定時間後における基質あるいは生成物の変化量を測定するone point assayがあるが,rate assayについては反応速度測定装置(reaction rate analyzer)がすでに数種市販されており,これも自動分析機の範疇にはいる.最近,Dr.N.G.Andersonの考案による遠心方式自動分析機が出現しているが,この種の機械もrate assayが可能である.しかし一般の自動分析機,特にマルチチャンネル自動分析機ではrate assay方式を採用しているものはほとんどない.したがって多くの自動分析機ではone point assayによる測定が余儀なくされているのが現状であろう.one point assayにも測定の形式としてはUV法と比色法の両方が応用されている.
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