研究
関東逓信病院システムにおける臨床検査データ処理(Ⅰ)—その現状
鈴木 康之
1
,
春日 誠次
2
1関東逓信病院医療近代化準備室
2関東逓信病院第2臨床検査科
pp.52-56
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908396
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はじめに
近年とみに,医療に対する国民の関心が高まり,病院構造の変化に追従する医療技術の充実,そして的確なる診断など高度な要求が叫ばれている.この要求を満たすためには,組織的・総合的に患者の情報を把握し,病院内における診療各科の情報交換を行い的確な診断をくだし,患者の早期治癒,予防保全につとめなければならない.情報交換を的確に行うためには,患者の病歴情報の蓄積,また,健康歴の管理などの情報処理を情報処理機械にゆだねなければならないことは,もはや医療界の常識となっているといえるであろう.
医療への需要がますます増加する今日,病院における受入体制が,それにマッチした形で存在しなければ病院機能は失われるであろう.この中で,近代的な病院機構のひとつの条件として,臨床検査部門の充実があげられる.医師の診断に対して,客観的な資料を提供する部門の役割は重要である.患者にとっても検査などのデータが,正確に迅速に得られることは,的確な診断がなされるということで,早期治療につながり,まさに福音といえるであろう.
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