検査ノート
ゲラチンスライドはり付け法による凍結切片の染色法(Ⅰ)
鈴木 裕
1
1慶大病理
pp.50-51
発行日 1974年1月15日
Published Date 1974/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908395
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病理組織標本作製において脂質類の染色やペルオキシダーゼ反応などを行う場合,検出する目的物の性質上凍結切片が用いられており,またその切片作製技術上より遊離切片を使用する方法が普通一般に行われているが,染色ステップの多い方法や検索組織いかんによっては切片の破損がひどく,ときには標本作製が不可能なもの,またそこまでいかなくとも写真撮影ができないもの,あるいは組織の切断面の関係から検索対照のほとんどが脱落してしまうものなどその標本作製上における技術的制約を受ける場合が往々にしてある.著者はこの凍結切片を遊離法として扱う方法の難点を解決するために凍結切片の作製にクリオスタットを使用しゲラチンスライドに薄切切片を直接はり付け,以後の処理や染色をパラフィン切片と全く同様に扱う,いわゆる"ゲラチンスライド法"としてすでに本誌第17巻2号,技術解説に詳しく紹介した.しかしその際,染色法については紙数の関係で割愛せざるを得なかったので,ここでは染色法について,ルーチンに使用されている方法を中心にして記し,またこの方法により簡単にルーチン化でき従来あまり行われていない方法についても紙数の許す限り記載しようと思う.なお以下に述べる染色法では切片をはったゲラチンスライドのゲラチン膜硬化終了以後の操作より記述し,それ以前の方法の詳細については前記"技術解説"を参照していただきたい.
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