特集 臨床検査室マニュアル
Ⅰ.検査室の設計
機器A 自動化機器
高原 喜八郎
1
1神奈川県立衛生短大
pp.1168-1173
発行日 1976年11月1日
Published Date 1976/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909535
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医療の分野に自動検査機が初めて登場したのは,約30年前ごろに米国において病理組織標本作りを自動化したオートテクニコンの誕生と,更にそれから約10年後に発明市販化された世界最初の自動化学分析機テクニコンオートアナライザー(AAI)であったことはよく知られている.これらの発明の動機は単に発明のための発明ではなく,多数の検体を限られた時間内と限られた人手で処理せねばならなかった必然的な現実のニーズからであったし,また当時既にBelkらによって精度管理の必要性が報告された1946年より約10年を経過した時点であったことからも,高精度の必要性も自動化を現実化せしめた大きな理由であったと思われる.このようなニーズと供給の関係は,今日でも当然形態こそ変わっても同様に受け継がれてきており,医療の今日的現状を反映した多数の自動化機種が往時に比して,より適正に使用されるようになってきているのは喜ばしい.
ここで今日的視点から機器の選定を100床クラスおよび300床クラスの一般病院について解説することを命ぜられたが,100床クラス病院の対象としては約50〜200床の一般病院を包含するものとし,平均的には内科や外科が主体であって外来患者数は1日約300人前後であり,検査室に提出される検体数は入院・外来合計して1日平均50検体前後の規模とし,以下単に小病院と称することとした.
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