Senior Course 細菌
非発酵性グラム陰性杆菌を再同定する時の注意事項(1)
藪内 英子
1
1関西医大微生物
pp.940
発行日 1973年8月15日
Published Date 1973/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908201
- 有料閲覧
- 文献概要
臨床検査のどの分野でもいえるが,患者由来の検体は臨床細菌学にとって宝庫である.新しい重要な事実はこの宝庫を注意深くていねいに取り扱う人によって見出されるはずである.そこで非発酵性グラム陰性杆菌の再同定をしようという人たちのための注意を述べてみたい.
1)保存菌株ノートを作る.それにはその菌株の分離年月日,患者名,カルテ番号,診療科名,検体の種類,その検体から純培養状に検出されたかどうか,同時に検出された菌があればその種名やおおよその菌量を記入しておく.おもな性状を簡単に記録しておけば一層便利である.おのおのの菌株はその歴史がわかっていてこそ意味がある.必要に応じて検査室での記録,臨床各科でのカルテによって患者の病名,臨床症状,検体採取時の状況,臨床経過,治療剤の種類と効果などについて検討するための手がかりを記録しておかねばならない.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.