1ページの知識 細菌
グラム陰性杆菌
土屋 俊夫
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1日大・臨床病理
pp.786
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906874
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1.グラム染色
細菌検査上欠くことのできないグラム染色は,ゲンチアナ紫,クリスタル紫などの色素で細菌を染色し,ルゴール液(ヨード・ヨードカリ液)を作用させた場合,グラム陽性菌では菌体のリボ核酸塩(マグネシューム)と色素・ヨード結合物が生じて脱色剤(一般にメタノールまたはエタノール)を作用させても色素が溶出してこないが,グラム陰性菌では色素が溶出するため,後染色(または対比染色)をほどこした場合,細菌がこれに用いた染色液(パイフェル液,サフラニン液など)の色調を示す.グラム染色性の相違は大きく細菌を大別するが,その他陽性菌に外毒素産生菌があり,抗生物質に対する感受性も異なっている.グラム染色陰性の杆菌は一見あきらかに杆状を呈しているものばかりでなく,球菌とまぎらわしい短杆菌がある.
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