新しいキットの紹介
E3キットによる尿中エストリオール測定について
大場 逸見
1
,
山田 喜三太
2
1宮城県岩出山町立岩出山病院臨床検査科
2宮城県岩出山町立岩出山病院産婦人科
pp.82-85
発行日 1973年1月15日
Published Date 1973/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907955
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はじめに
Diczfalusy1),中山ら2)の研究によって胎児胎盤系におけるエストリオールの生成経路が明らかにされ,妊娠尿中エストリオールが胎児胎盤3)の機能の指標となりうることがわかってきた.
尿中エストリオールの測定法としてBauld Cohem法およびBrown法などが行なわれていたが,操作が繁雑でかつ長時間を要し,一般病院の検査科では実施不可能に近かった.しかし神戸川4),鎌田5)が結合型ステロイドを特異的に吸着するイオン交換樹脂を用い,カラム方式で精製する方法を応用して結合型ステロイドを吸着させ,Kober発色およびIttrich抽出を組み合わせることにより,きわめて簡単で短時間に行なえる尿中エストロゲン測定法を開発報告したため,一般病院でも測定可能になり,いわゆるE3キットとして日常の検査に利用されるようになった.このE3キットを帝国臓器KKより提供を受け,この方法を検討する機会を得たので,われわれの実験成績を報告する.
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