Senior Course 生化学
ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ系を利用する尿酸の定量法とその自動化
坂岸 良克
1
1埼玉医大・生化学
pp.791
発行日 1972年7月15日
Published Date 1972/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907692
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血清および尿中の尿酸の定量法はほとんどFolin法によっている.すなわち,Brownの試薬に含まれるリンタングステン酸をアルカリ性下で尿酸により還元し,生じたタングステンブルーを660nmで比色する.しかし,この方法は少なからぬ問題点をもっており,白濁が加わったり,服用している薬物の干渉を受けたりする.このために特異性の高いウリカーゼを利用する方法が導入され,292nmで比色するUV法はオートアナライザー法にも取り入れられている.
ウリカーゼは図の(1)のように尿酸を酸化してアラントインにする酵素であるが,その際同時にH2O2が生じる.Lorentzら1)やDomagkら2)は血糖の酵素法を応用して,この反応にペルオキシダーゼ・o—ジアニシジン系を組み合わせ尿酸定量法とした.Kageyama3)は井川らのカタラーゼ・メタノール系を利用したHantz反応によって尿酸を定量する方法を報告している.このようなくふうは日常検査に携わっていると時々頭にひらめくものであるが,十分な検討をするひまもなく見のがしてしまうこともあろう.最近,GochmanとSchmitz4)は還元物質の影響を受けない酸化反応を組み合わせて尿酸定量法とし,その自動化法を報告したので紹介する.
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