総説
分子状酸素の動態
井川 幸雄
1
1東京慈恵医大病院中央検査部
pp.708-713
発行日 1972年7月15日
Published Date 1972/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907672
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われわれは約80%の窒素と約20%の酸素と0.03%の炭酸ガス,その他からできている‘大気’という海の底に生きていて,絶えず酸素を取り入れ,炭酸ガスを放出するという物々交換をしながら生きている,そして動物が地球上に発生して以来,この物々交換を休むことなくくり返して(栄養素のように体のいくばくかの貯えをもつことなしに)生きてきたのである.
呼吸というのは,この大気から肺胞を介して酸素を受け取り,これを血流によって体の細胞まで届け,その帰りに細胞から放出された炭酸ガスを肺に運び,これを大気中に放出する過程である.
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