特集 酵素検査法
病理
ドーパオキシダーゼ DOPA oxidase/チロジナーゼ Tyrosillase
安田 健次郎
1
1北里大解剖
pp.1316-1318
発行日 1971年12月1日
Published Date 1971/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907431
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DOPAオキシダーゼとチロニダーゼ
DOPAオキシダーゼはDOPAすなわちジハイドロオキシフェニールアラニンに作用してこれを酸化し,メラニンの形成に関与する酵素である.
しかしながら本酵素はチロニダーゼとの関係がきわめて複雑である.歴史的にみると,最初に本酵素の存在を報告したのはBloch(1917)である.彼はDOPAを基質として組織化学的研究を行ない,黒褐色の色素すなわちメラニンの形成を認め,哺乳動物の皮膚の特定の細胞(メラニン芽細胞:melanoblast)の細胞形質内にDOPAオキシダーゼがあることを報告し,メラニン形成はチロジンからではなくDOPAが酸化されて行なわれるものであると推論した.
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