シリーズ・日常検査における機械化のくふう・5
ミニペット分注器の作り方
水野 映二
1
,
小野 弘毅
1
,
仁科 甫啓
1
,
北村 元仕
1
1虎の門病院臨床生化学検査部
pp.510-511
発行日 1971年5月15日
Published Date 1971/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907201
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日々に増加する化学検査の能率化を図るとき,試薬添加段階に分注器を導入することは効果的である.しかし,多くの分注器は操作の複雑さ,維持のむずかしさ,または価格や故障などの問題をもっている.これらの立場で私たちは精密度,目盛り合わせの難易,耐薬品性,分注速度,操作・洗浄の難易および価格について市販品の性能をチェックした結果,検査室での条件に適するものとしてミニペット分注器を選んだ.
本器は活栓付き注射筒がハンドルによって180度半回転できるようになっており,ピストンが重力で上下して試薬の吸引一排出が連続して行なわれる.初期の市販品では測容ピストンが自由に回転し分注の再現性が悪くなりやすかった.そこで改良としてカーテンレールを用いてピストンの回転を防止して,すぐれた精度をあげることができた.従来のメスピペット・ホールピペットの替わりに本器を導入して能率化を図ったところ,試験管50本処理あたり従来の1/3-1/12に短縮できるようになった.私たちはミニペット分注器を日常検査に70台以上も導入して成果をあげている.
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