Senior Course 細菌
結核菌の検査
永井 龍夫
1
1札医大・中検
pp.308
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907147
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1.チール・ネルゼン染色について
結核菌の染色法として広く行なわれているもので,染色要領はグラム染色のようにむずかしいことはない.石炭酸フクシンの加温染色を微加温でやり,塩酸エタノールによる脱色を標本面の赤味が完全になくなるまで十分にすればきれいな染色標本ができる.
結核菌の検査では喀痰が検体になる場合が多いが,喀痰中の菌の分布は必ずしも一様ではないから染色標本の塗抹には注意を要する.実際に喀痰の塊の異なる場所を採って染色すると,極端な場合には一方では結核菌が認められるのに他方では認められないこともある.簡単に喀痰の一部をちょっと塗抹して染色するのは,検査精度上ほめたやり方ではない.あらかじめ喀痰をできるだけ均等にほぐしてから塗抹染色することが望ましい.
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