新しいキットの紹介
Liebermann-Burchard反応による血清遊離型コレステロール定量法の検討
山田 満広
1
1京都第二赤十字病院中検生化学検査室
pp.90-93
発行日 1971年1月15日
Published Date 1971/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907072
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はじめに
総コレステロール中のエステル比の臨床生化学的診断価値は,最近薄らいできているといってよいであろう.なぜなら,その測定の技術的な煩雑さと,ほかにより容易に行なえる同じ目的の検査法が普遍化してきたことにあると考える.
コレステロール測定に用いられる方法には,古典的なLiebermann-Burchard反応(無水酢酸と硫酸による呈色),最近では,塩化第二鉄によるKiliani呈色反応が多く用いられているが,いずれもリポタンパクと結合しているコレステロールおよびエステルを,タンパクから離断してから測定する点に変わりはない.エステル型を測定するには,遊離型コレステロールをジギトニンによって沈殿させ,それを集めて洗ったのち測定するのであるから,ジギトニンによる沈殿,洗浄,その回収という操作過程において注意しないと大きな誤差を生じやすく,技術的に困難な測定法とみられる.
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