臨床検査の問題点・23
白血病細胞の見方
新谷 和夫
1,2
,
菅沼 清
3,4
1関東逓信病院第2臨床検査科
2日本血液学会,臨床血液学会,臨床病理学会,内科学会
3東京・関東逓信病院第2臨床検査科
4日本衛生検査技師会,日本臨床病理学会
pp.1442-1446
発行日 1970年12月15日
Published Date 1970/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907034
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最もむずかしい検査の1つに,造血器の悪性腫瘍である白血病細胞の観察がある.白血球数の増減,あるいは形態だけでは鑑別しがたいとき,どう考えたらよいか.幼若細胞の特色,類似疾患との区別など実例をあげて解説する.白血病細胞の特徴
菅沼 ルーチンの血液像の検査の中で,白血病細胞を発見することが多いのですが,白血球が極端にふえてるときは,形態学に少しぐらい弱くても白血病とわかる場合があると思いますが,実際は白血球がそう多くなくて白血病であることがあるわけです.そうなりますと白血病細胞をしっかり把握しておかないと,白血病を見落としてしまうという重大なことが起こるわけです.そこで白血病細胞には一般的にどんな特徴があるかをおうかがいしたいと思います.
新谷 検査室で白血病かどうかが問題になるケースが多くなっているのは確かだと思います.白血病細胞は幼若細胞としての特色をもっているわけで,表のような点に注意をする必要がありますが,この細胞がおかしいんじゃないかなということを見つけ出すことがまず問題になると思います.そこで白血病細胞の特色は形態学の基礎ですから,ごく簡単に話をしましょう.
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