研究
塩化コバルト反応の簡易化に関する検討
塩田 敏雄
1
1健康保険淀川診療所検査センター
pp.800-802
発行日 1969年9月15日
Published Date 1969/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906534
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
肝機能検査の1つとしての塩化コバルト反応は,コバルトSolに対する血清タンパクの膠質不安定性を熱凝固によって検査しようとするもので,Weltman凝固体反応と似ているが,血清の熱凝析に及ぼす各種陽イオンの中でCa++に比し凝結力が3倍強く,変化域の移行がきわめて鮮明で判定容易なCo++を用いている,術式によれば,①濃度別に10本の試験管を用いる(0.1g/dlコバルト液と水の比12:38-3:47),②試薬量5ml,使用血清1ml (0.1ml×10),③沸騰水浴中で15分加温,に要約され,検査に要する時間約40分である.今般のように多数の検体を扱わなければならなくなると肝機能検査のルーチンの中に,コバルト反応を入れるには高田反応同様不便である.今回私は,コバルト反応を簡易化するため,①濃度別試験管の減本,②試薬の減量と使用血清の微量化,③沸騰水浴中での加温時間の短縮,について検討し,試験管法からアンプル法への可能性を試みた.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.