技術解説
血中ビリルビンの検査法
石戸谷 豊
1
,
伊藤 忠一
1
1東北大・中央検査部
pp.382-387
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906410
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はじめに
血清総ビリルビン(総「ビ」)の定量は,黄疸の程度を知るうえで,欠くことのできぬ基本的検査である.また,血清ビリルビンにはジァゾニウム塩の添加により,直接紫紅色を呈する直接ビリルビン(直「ビ」)と,メタノール処理後はじめてジァゾニウム塩によって呈色を示す間接ビリルビン(間「ビ」)とがあり,これらを分別定量することは,黄疸の鑑別診断にとって,きわめて重要である。
間「ビ」はまた,ヘモビリルビンないしは遊離ビリルビンともいわれ,水難溶性であるが,肝に至り側鎖の2個のプロピオン酸基がグルクロニールトランスフェラーゼの作用でグルクロン酸抱合をうけ,ジグルクロナイドになると水溶性に変化する.ビリルビンは,肝以外でもグルクロン酸抱合をうけるが,このとき生ずるものは,モノグルクロナイドである。これらグルクロナイドは,コレビリルビンともよばれる.ジグルクロナイドのすべてと,モノグルクロナイドの大部分は直「ビ」として定量される.
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