ひろば
技術仲間たち—ある集まりの記録より
村田 徳次郎
1
1慈生会ベトレヘムの園病院検査料
pp.212
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906359
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何々研究会,また技術会とかの講演研修会は,日進月歩の医学の発達に伴う臨床検査の変化に対処していかねばならない今日,この種の催しは頻繁にあることを希望するし,また必要なことである.しかし,講演内容を実際活用しようと検討してみると,設備と時間を相当要するものが多いように思う.つまり少ない予算と数人の技術員で構成する中小検査室の,加えて多忙さで縁遠い研究講演が多い.この点において私ども,中小検査室の技術員は,得た知識を業務規模によってくふうをこらして,生かしていくべきではあるまいか.現場でのみ得られる貴重な経験と蓄積されている知識をもってすれば,不可能に思える研究にしろ,技術にしろ,克服できぬことはないと確信する.このような意味も含めて,近くの地域の医院・診療所・病院で検査業務に従事している意欲的な技術仲間が集まり,無礼講で自由にそれぞれの立場で,経験談,仕事のくふう,苦心,苦労,人間関係,また近ごろ問題となっている検査項目の検討と熱ぽい議論と,とにかく迫力のある雰囲気で,所定の時間をだいぶオーバーしてしまったほどであった.私どもはさっそく活用できる多くの要素を仕入れることができた.とかく一方交通になり気味の講習会と異なり,本当に交流が自由に活発に行なわれ,当初思わなかった収穫であった.まことに3人寄れば文珠の知恵だなと強く印象を受けた.
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