技術解説
血液凝固に関する検査法(1)
佐竹 清人
1
,
盤若 博司
2
,
八幡 浩二
2
,
中田 英策
2
,
綿貫 実
2
,
田崎 次男
2
1日本医科大学内科
2日本医科大学内科教室
pp.21-25
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542906059
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まえがき
血液の凝固機構に関する最近の考え方は,それに関与する多くの凝血因子(表1)の発見に伴ってますます複雑化し,一般の理解を困難ならしめているが,この複雑な凝血過程が正常かどうかを判定する目的で考案された検査法の種類ならびに数は著しく多く1),実施に当ってどの方法を取捨すべきか,また成績をいかに解釈すべきか等について迷うことが少なくない。またすべての検査手技についていえることであるが,実施上のいわゆる「コツ」というものがあって,それは結局体験によっておのずから習得されるものではあるが,成書にはあまりよく記載されていない。そこで本号より4回にわたり,主としてわれわれの経験をもとにした血液凝固検査法の技術解説を試みたい。
もとより血液凝固検査法には最も基本的な全血凝固時間測定法一つを取り上げてもいろいろの方法があり,そのおのおのに一長一短がある。以下記述する方法も決してこれでなければならないというものではなく,各自の創意工夫によって改善されるべき多くの問題を残していることをお断りしておきたい。
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