技術解説
寒天内沈降反応—とくに平板寒天をもちいるオークテルロニー(Ouchterlony)法について
松橋 直
1
1東京大学医学部血清学教室
pp.275-280
発行日 1961年5月15日
Published Date 1961/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905829
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1.はしがき
血清学的検査法の術式も日に進み月に歩んでいるが,その一つとして,ちかごろ臨床検査の領域にまで入りこんできたものに,寒天内で抗原と抗体を反応させ,そこにできた白い沈降物の帯から抗原あるいは抗体の有無を検査する方法がある。その術式にはいろいろなものが工夫されており重層法の形式をとるもの,平板寒天内で反応させるもの,この平板寒天をもちいるものに電気泳動法を組合せる方法などがあるが,ここではこれらを総称して寒天内沈降反応とよぶことにしよう。今回は,比較的実施しやすい平板寒天内沈降反応の術式について著者の経験および工夫を中心に述べるが,ついで寒天内沈降反応の発達,原理などについて若干の解説を加え,読者の理解を深める一助にしよう。
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