技術解説
RA-testに関する2,3の経験
鈴木 秀郎
1
1東大病院中央検査部血清検査室
pp.535-538
発行日 1960年9月15日
Published Date 1960/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905739
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まえおき
リウマチ様関節炎の鑑別診断に役立つ血清反応としては,これまでWaaler-Rose反応1)2)が広く用いられてきた。けれどもこの反応は材料の準備が大変であること,検査の手技が複雑であること,検査に時間がかかること,判定が難しく安定した結果が得にくいことなどいくつかの欠点もあつて,必ずしも一般の満足を得ていなかつた。
最近これにかわる方法としてLatex凝集反応3),Bentonite凝集反応4)などが報告され,方法が簡単で,時間がかからず,結果が確実で,判定が容易である為広く用いられるようになつた。就中Latex凝集反応はSinger & Plotzの原法の他,幾多の変法が工夫され,ことにアメリカのHyland Laboratoryで販売しているR-A-Test用試薬はPolystyrene Latexにヒトγ-globulinを吸着させ,着色をしたものである。R-A-Test試薬1滴と,やはり同社で販売しているGlycin-Saline-Bufferで20倍にうすめた血清1滴をのせガラスの上におとし,よくかきまぜて1分以内に判定するもので,方法の簡単さからいつて,忙しい中央検査室で用いるのに絶好な方法と考えられ,本邦でも広く用いられる形勢にある。
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