最近の検査技術
Radioallergosorbent test(RAST)
向山 徳子
1
,
前畑 英介
2
1同愛記念病院小児科
2昭和大藤が丘病院中検
pp.47-50
発行日 1977年1月1日
Published Date 1977/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201258
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1921年Prausnitz,Kustnerによってアレルギー患者の血清中に正常人皮膚を過敏にする物質が存在することが証明された1).この物質はCoca & Grooveによってレァギンと名づけられたが2),この物質が微量かつ不安定であることよりその分離,精製は長い間成功しなかった.その後1966年石坂博士らによりレアギン活性を担う新しい免疫グロブリンIgEが発見され3),1967年Johanssonら4)によるIgE骨髄腫の報告以後血中のレアギンに関する研究は急速な進歩を遂げてきた.
臨床アレルギーの面から即時型アレルギー疾患のアレルゲン診断は古くから主として皮膚を用いスクラッチ反応,皮内反応,Prausnitz-Kustner反応(P-K反応)などが行われてきた.しかしこれらの方法は時に検査によるショックを起こし,疹痛などのため幼児では行い難い.またP-K反応に関しては血清肝炎の危険性もあり施行困難になってきている.レアギンの検出にはその他サルを用いてのPCA(Passive Cutaneous Anaphylaxis)反応,白血球を用いてのヒスタミン遊離試験,マスト細胞脱顆粒試験,腸管を用いてのSchultz-Dale反応などが用いられるが,いずれも動物を使用したり手技が困難であり臨床的には広く用いられるには至っていない.
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