発行日 1960年3月15日
Published Date 1960/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905682
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細菌学
はじめて「一級試験」をお世話することになつて,いよいよ唯1名ながら受験者のあることも決定して,最初に当面した問題は「一級」という資格に対する認識と,それに直結している試験問題選定のむずかしさであつた。早速ベテランの先生方を委員にお願して,今までの様子もうかがい,種々御相談して問題を決定した。その方針としては,項目は既に発表されている試験範囲によるが,日常ありふれたやさしい面からと,あまり扱う機会のないむずかしい面からと試験してみてその能力応用の広さを見ようということになつた。この点試験範囲の〔A〕〔B〕〔C〕という段階にあまりにもこだわりすぎていた受験者側と多少意見の相違があつた様であるが,「一級」という資格に対する責務の重大さから考えれば,たしかに範囲も広いしむずかしくもあるが,あの程度でやむを得ないと思われた。従つてその点を充分考慮して採点したし,今後の問題として範囲の表わし方等の再検討の点に関しても反省してみた。
全般的にいえば理論としては知つていても実際的にしつかりと把握していない点のあつたこと,日常の処理としては充分手馴れていてもやや粗雑さの見られたことである。
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