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臨床病理技術士資格認定試験
橋本 寛敏
1
,
坂口 康蔵
1
,
加藤 勝治
1
,
緒方 富雄
1
,
吉川 春寿
1
,
牛場 大蔵
1
,
児王 威
1
,
緒方 富雄
,
長谷川 彌人
,
太田 邦夫
,
藤森 聞一
1試験審議会
pp.60-63
発行日 1954年9月1日
Published Date 1954/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200870
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臨床病理技術士資格認定制定に関する趣意書
近代医療がその精華を十分に発揮するためには,基礎医学(細菌,病理,化学,血液,血清,生理等)の最新の知識と技術の上に立つた臨床病理検査の確実な実施が必要であることは贅言を要しない所であります。
医療機関の中枢的存在を占め,国民保健の重責を担つている病院では,この業務が組織化され,基準化されて,いつ何時でも要望に応じられる態勢が整えられねばなりません。そのためには,病院の性格,規模に相応しい検査施設や設備が整えられ,それらが合理的,能率的に運営されることが必要でありますが施設や設備だけ完備していてもこれらを十分に使いこなす専門家や技術者なくしては所期の目的を達成することは困難であります。我が国の多くの病院では,臨床病理検査は前記の基礎医学者又は1部の臨床家によつて実施されていますが,協力者又は補助者としての技術者を得ることは今日必ずしも容易ではありません。従つて各病院におかれては,多大の犠牲を払い乍ら自前で養成訓練し,或いは他の機関で養成された技術者を鐘太鼓で探し廻らねばならぬ現状にあります。それで申すまでもなく我が国では今日尚お臨床病理技術が専門職業として公認されず,従つて技術者の身分や資格について何らの法規も養成制度も定められておらぬからであります。
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