技術解説
滅菌法について
高橋 昭三
1
1東京大学医学部細菌学教室
pp.369-373
発行日 1957年9月15日
Published Date 1957/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905385
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
一口に言うと,滅菌法は,あるものに附着して居る,又はあるものに含まれて居る枯草菌の芽胞を目標とし,それを殺す操作である。この操作によつて,すべての細菌,カビを殺す事が出来る。同じような言い方をすると,消毒法は,炭疽菌芽胞を殺す事を目標とした操作であり,これによりすべての病原菌を殺す事が出来る。
滅菌を行う場合は,目的がいろいろであるが,培地材料の滅菌に際しては,取扱う材料が,血清からガラス器具まであるわけで,しかも後で菌を接種する事を前提とするから,滅菌後に材料の変質を残してはならないわけである。したがつて,方法の選択が行われるわけである。これを中心にして考えてみたいと思う。
Copyright © 1957, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.