特集 造血器腫瘍
Ⅲ 検査法の基礎知識
10.画像検査―2)骨病変の診断
小澤 栄人
1
,
天沼 誠
1
,
平敷 淳子
1
Eito KOZAWA
1
,
Makoto AMANUMA
1
,
Atsuko HESHIKI
1
1埼玉医科大学放射線科医学
pp.1324-1329
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905234
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はじめに
血液疾患は,主に骨髄生検と吸引による骨髄の顕微鏡的評価を基にした病理学的方法や腫瘍マーカーによる細胞遺伝学や分子生物学の利用による診断,治療方法や予後判定が行われている.これまで画像診断としてはシンチグラムが主流であったが,近年MRIのT1強調画像およびshort TIinversion recovery (STIR)法などを用いることにより優れた骨髄病変の描出が可能となった1,13).
骨髄MRIは,各血液疾患での特異性は少ないものの,腫瘍細胞が腫瘤形成した場合の脊髄圧迫やその予後の重要な因子となるステージ分類を決める骨髄浸潤した小病変の検出を非侵襲的に行うことを可能にしている.さらに,その病変が全身的なびまん性の病変か局所的な病変かを診断し,骨髄生検を行う場所や治療に対する反応評価に用いることが可能である.
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