今月の主題 糖尿病
話題
糖尿病性腎症治療の最前線
羽田 勝計
1
Masakazu HANEDA
1
1滋賀医科大学第三内科
キーワード:
糸球体高血圧
,
アンデオテンシン変換酵素阻害薬
,
ACE阻害薬
,
アンデオテンシンII受容体拮抗薬
,
ARB
,
集約的治療
Keyword:
糸球体高血圧
,
アンデオテンシン変換酵素阻害薬
,
ACE阻害薬
,
アンデオテンシンII受容体拮抗薬
,
ARB
,
集約的治療
pp.763-768
発行日 2002年7月15日
Published Date 2002/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905145
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1.はじめに
近年,糖尿病性腎症に起因する慢性腎不全のために透析療法を導入される症例が急増しており,日本透析医学会の集計では,1998年に慢性腎炎を抜いて新規導入症例の原疾患の第一位となった.この傾向は継続しており,2000年には全導入症例(31,925例)中36.6%(11,685例)を占めるに至っている1).この現状を打破するためには,腎症を早期に診断し,まだ可逆性の時期に治療を開始することが重要である.腎症の治療法に関しては,これまでに多くのランダム化比較試験の成績が発表されており,いわゆるエビデンスに基づく治療が可能になってきたと考えられる.さらに最近,腎症のremission (緩解),regression (退縮)も生じ得ることが報告されている.そこで本稿では,これらの点に関し腎症治療の最前線を解説したい.
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