今月の主題 生体リズム
話題
光受容分子
秋山 正志
1,2
,
柴田 重信
1
Masashi AKIYAMA
1,2
,
Shigenobu SHIBATA
1
1早稲田大学人間科学部神経薬理学教室
2日本学術振興会
キーワード:
クリプトクローム
,
ノックアウトマウス
,
光同調
Keyword:
クリプトクローム
,
ノックアウトマウス
,
光同調
pp.640-643
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904790
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1.はじめに
ヒトの概日リズムの周期は約25.1時間であると言われている.したがってヒトは朝,日光を受けるたびに時計の針を1時間巻き戻して,外界の24時間の明暗周期に同調しているわけである.このような光による同調を"光同調"と呼ぶ.概日リズムの最も重要な同調因子はヒトを含めすべての生物において光であるが,その光受容分子の実体は長い間謎とされてきた.近年,クリプトクローム(cryptochrome)と呼ばれる青色光受容蛋白質をコードする遺伝子が植物やショウジョウバエさらにはヒトを含めた哺乳類にも存在し概日リズムの光受容分子としてだけではなく時計の振動体機構本体においても重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた1).ここでは光受容分子としてのオプシンおよびクリプトクロームの役割を概説する.
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