特集 細胞診―21世紀への展望
第5章 新技術・周辺領域技術の応用と展開
2.新しい免疫染色抗体
加藤 良平
1
,
小宮山 明
1
,
中澤 久美子
2
,
石井 嘉男
2
,
弓納持 勉
2
Ryohei KATOH
1
,
Akira KOMIYAMA
1
,
Kumiko NAKAZAWA
2
,
Yoshio ISHI
2
,
Tsutomu YUMINAMOCHI
2
1山梨医科大学病理学第2教室
2山梨医科大学病院病理部
pp.1418-1422
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904595
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はじめに
抗体を用いての免疫染色法は,組織診のみならず細胞診でも,極めて有用であるのはいうまでもない.免疫染色診断に用いる抗体は,毎年のように新しいものが数多くつくりだされ,商業的にそれらを容易に入手することが可能になっている.それゆえ,最近の免疫染色診断では,新しい抗体に対する情報をいかに得るかが重要な要素にもなってきたといえる.ただし,新しい抗体の中には,実際の組織や細胞診材料での免疫染色に不向きなものも少なくはないことを念頭においておく必要がある.
抗体を用いた免疫化学的鑑別診断における重要な点は,目的とする物質(抗原)の性質や意義を十分に理解して,いくつかのマーカーの組み合わせで行う.さらには,使用する抗体についての十分な知識も必要である1~3).
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