今月の主題 糖化蛋白と蛋白のグリケーション
技術解説
AGEの免疫組織化学による検出とその局在
八木橋 操六
1
Soroku YAGIHASHI
1
1弘前大学医学部病理学
キーワード:
AGE局在
,
免疫組織化学
,
抗原賦活化
,
糖尿病
,
神経変性疾患
Keyword:
AGE局在
,
免疫組織化学
,
抗原賦活化
,
糖尿病
,
神経変性疾患
pp.263-268
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904331
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後期糖化生成物(advanced glycation end-prod-ucts; AGE)は多くの化学構造物の総称である.それらに対する特異的抗体を用い,免疫組織化学的手法でその組織内局在が明らかにされる.AGEの染色は,新鮮な組織では凍結切片で可能だが,保存されたパラフィン切片では抗原賦活などの工夫が必要とされる.免疫染色の結果,AGEは動脈硬化症での血管壁,アルツハイマー病での老人斑,糖尿病合併症などの各組織にみられている.免疫電顕による超微構造の観察では,AGEは細胞外の基底膜を中心とした細胞外基質および細胞内での核,小器官,さらにはリソゾーム小体での分解物など広範な部位にその局在が確認されている.今後AGE沈着がいかに組織病変をもたらすかの検討がさらに必要とされている.
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