今月の主題 糖化蛋白と蛋白のグリケーション
話題
AGEレセプター
卯木 浩之
1
,
米倉 秀人
2
,
山本 靖彦
3
,
山岸 昌一
4
,
山本 博
5
Hiroyuki UNOKI
1
,
Hideto YONEKURA
2
,
Yasuhiko YAMAMOTO
3
,
Shoichi YAMAGISHI
4
,
Hiroshi YAMAMOTO
5
1金沢大学医学部生化学第二教室
2金沢大学医学部生化学第二教室
3金沢大学医学部生化学第二教室
4アルバートアインシュタイン医科大学糖尿病センター
5金沢大学医学部生化学第二教室
キーワード:
AGE
,
RAGE
,
糖尿病性血管症
Keyword:
AGE
,
RAGE
,
糖尿病性血管症
pp.285-288
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904336
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はじめに
慢性的な高血糖状態では,ブドウ糖などの還元糖が蛋白質のアミノ基と非酵素的に反応して後期糖化反応生成物(advanced glycation end-products;AGE)を生ずるに至る,いわゆるメイラード反応が加速的に進行する.この結果,循環血液や組織中で蓄積されるAGEが,血管病変発生の引き金となり,網膜症・腎症といった糖尿病性血管合併症の発症につながるものと推測されている1).AGEの生物学的な作用は,AGEをリガンドとして特異的に認識する細胞表面レセプターによって仲介される2~4).これらのレセプターは生体内に蓄積されたAGEを除去・分解に導くばかりでなく,AGEと複合体を形成することによりケモタキシス,遺伝子の活性化,サイトカイン・成長因子の産生亢進などの細胞応答を引き起こす.本稿では,代表的なAGE受容体について概説した後,われわれの教室で得られた知見をもとに,receptor for AGE (RAGE)を中心に糖尿病性血管症発症,進展とのかかわりについて述べてみたい.
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