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類白血病反応(leukemiod reaction)とは,基礎疾患を有し,その反応として血液像が白血病類似の所見を呈することである.慢性骨髄性白血病類似の血液像,すなわち顆粒球,特に成熟好中球の増加とともに幼若型,骨髄芽球の出現を伴う場合が最も多い.ときに,急性骨髄性白血病のように白血病裂孔を認めることもある(図1).このような骨髄性の類白血病反応は,重症感染症などでも認められるが,臨床的には癌細胞の骨髄浸潤が最も鑑別を要する病態である.この骨髄性類白血病反応の血液所見にさらに赤芽球の出現を伴う場合を特にleukoerythroblastosisと呼び,癌の骨髄浸潤あるいは骨髄線維症に伴う髄外造血によることが最も多い.図2に示すのは,骨髄線維症に巨脾を伴った症例に認められたleukoerythrob-lastosisである.赤芽球の出現と同時に増加している好中球は異形成が強く認められる.
異型リンパ球が出現するリンパ性類白血病反応は,非常に広範なウイルス感染症で認められる.図3に示すように形質細胞類似,単球類似そしてリンパ芽球様に正常リンパ球が形態変化をきたしたのが異型リンパ球である.典型的な異型リンパ球増多をきたすのは,EVウイルス感染症である伝染性単核球症である.発熱と頸部リンパ節腫脹と異型リンパ球増多を臨床所見の特徴として認める.また,リンパ芽球様異型リンパ球は成人に比較して小児でより多く経験され,急性リンパ性白血病との鑑別は慎重を要する.一方,リンパ球増多は認めるが増加しているリンパ球は形態学的には正常リンパ球と思われる症例も少なくない.この場合は,慢性リンパ性白血病との鑑別も念頭に置く必要がある.また,リンパ球の胞体にアズール顆粒を認める顆粒リンパ球(granular lympho-cyte; GL)の増加を認めることがある.ウイルス感染症に伴う免疫反応と考えられる場合もあるが,同種骨髄移植後に一過性に認められることも知られている(図4)
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