今月の主題 肝炎
話題
分子進化の側面からみたB型肝炎ウイルス
大羽 健一
1
,
熊田 和徳
2
,
溝上 雅史
3
Ken-ichi OHBA
1
,
Kazunori KUMADA
2
,
Masashi MIZOKAMI
3
1名古屋市立東市民病院伝染科
2名古屋市立東市民病院第3内科
3名古屋市立大学医学部第2内科/輸血部
キーワード:
分子系統樹
,
中立説
,
機能的制約
Keyword:
分子系統樹
,
中立説
,
機能的制約
pp.315-318
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904027
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1.はじめに
分子生物学の発展により,肝炎ウイルスだけでなくさまざまな生物の塩基配列が解明されてきている.これらの塩基配列を分子進化学的に解析することにより,生物の近縁関係や分類を客観的に推定することができる.この分子系統樹による分類は,病原性微生物(エイズウイルス,インフルエンザウイルスなど)に幅広く用いられている.
今月の主題である"肝炎ウイルス",特にC型肝炎ウイルス(HCV)の登場が,臨床検査の場においてPCR法を全国的に普及させた一因となったことは間違いないものと思われる.ここでは,分子進化の側面からみたB型肝炎ウイルス(HBV)について紹介したい.
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