特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅲ.神経生理
2.脳波・誘発電位
7)誘発電位の術中モニタリング
谷口 真
1
Makoto TANIGUCHI
1
1東京大学医学部附属病院脳神経外科
pp.1412-1414
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903512
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はじめに
神経系の機能検査の多くは患者の協力がないと不可能である.このため脳神経系の手術で神経機能を安全に保つためには,局所麻酔下で患者の協力を得て神経機能を逐次チェックしながら手術を進めるのが最も確実であると言える.しかし全身管理の面からは,手術を全身麻酔下で行ったほうが患者にとってはるかに安全であり,ここでジレンマが生まれる.これを解決する1つの手段として誘発電位を用いた術中モニタリングが注目されるようになった.
術中モニタリングには,大きく分けて以下の2種類がある.1つは,手術操作により特定の神経機能が障害される恐れがあるとき,その機能を反映する誘発電位を手術中に繰り返し測定して反応の存在を確認しつつ手術を進める方法で,もう1つは,誘発電位を利用して手術野で大脳の特定機能の局在や問題となる神経の位置・走行の確認を行い術者をガイドする方法である.
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