特集 神経系疾患と臨床検査
Ⅲ.神経生理
2.脳波・誘発電位
8)脳波―最近のトピックス
石山 陽事
1
Yoji ISHIYAMA
1
1虎の門病院臨床検査部生理学科
pp.1415-1420
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903514
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はじめに
最近の脳神経生理検査のトピックスの多くは脳誘発電位を用いた認識,判断,記憶といった脳本来の機能を検査する方向を模索するものといっても過言ではない.このような背景の中で記録紙上の脳波波形から判読できる情報にも限界があり,脳誘発電位検査の普及の陰に隠れた感がある.しかし,コンピュータ技術の発達により脳波検査も新たな展開を迎えようとしている.MRIやX線CTおよびfMRI,PETなどの普及によりMEGより操作が容易でかつコストパフォーマンスに優れた脳波検査が再び注目されてきている.
臨床的にはてんかんの診断やその治療,終夜睡眠記録と光治療などの普及がトピックスとして挙げられる.また脳波導出法の面からはcurrent source den-city法(またはsource derivation法;SD法),脳波分析技術の面からは各種のmapping技術,棘波などのdipole tracing技術などがある.
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