学会だより 第47回 日本電気泳動学会春季大会
現代医療における電気泳動法のプレゼンス―先端医療から日常診療まで
陰山 克
1
1大阪医科大学医学部第二内科
pp.1081-1082
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903431
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第47回日本電気泳動学会春季大会は,去る1997年6月6~7両日にわたり,東京野口英世記念会館で東京医科歯科大学教授保崎清人会長のもとに開催された.特別講演は"酸化ストレスと生体の防御機構"と題して大阪大学医学部生化学教室の谷口直人教授が講演され,酸化ストレスに対する防御機構が破綻することにより,老化,炎症,癌やAIDS,自己免疫疾患,動脈硬化,糖尿病,神経変性疾患などが発症したり進展する.また細胞レベルでもアポトーシスや細胞増殖などに活性酸素の関与がみられ,酸化ストレスが引き起こされるが,これに対して抗酸化機構の中でレドックス制御機構があることを証明された.そして酸化ストレスに対する生体の応答性を,NOとスーパーオキシドとのクロストークがいかに重要であるかを潰瘍性大腸炎ラットモデルの実験データで説明され,また膵臓B細胞はNOによるアポトーシスを起こすが,ここでも類似の反応がみられるであろうと述べられた.
教育講演では"レトロウィルスのトピックス"と題して東京医科歯科大医学部微生物学教室の山本直樹教授から,1996年はエイズの歴史により,エポックメーキングな年となったいくつかの華々しい研究成果についてのレビューを同教室の研究を混じえて報告された.
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