コーヒーブレイク
医療とは優しい言葉かけ
寺田 秀夫
1
1聖路加国際病院内科(血液学)
pp.301
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903269
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有名な米国の内科医ウィリアム・オスラー教授(Sir William Osler)のいくつかの教えの言葉の1つに,"Fifteen minutes at the bedside is betterthan three hours at the desk"という言葉がある.3時間机上で患者の病態や治療法を研究するよりも,ベッドサイドで患者と15分間でも話し合って,病人に気持の安らぎと励ましを与えることが医療人にとってより大切であるという意味であろう.
定年を2回(昭和大医学部・聖路加看護大大学院)終え,内科医として40年余を過してきた自分を顧みると,ややもすれば病気だけを見て,病人を診なかった場合もあったのではないかと悔まれる.幸いに健康に恵まれ現在も診療を続けているが,最近診察を終った患者さんから,"暑いですから先生もお身体を大切に"と言われることがしばしばで,その度に自分の年齢を思い返すわけである.しかしその患者さんに対して,とても温かな心のぬくもりを感じ,"ありがとうございます"と返事する.
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