特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓性疾患と検査
3.虚血性脳血管障害
浜野 均
1
,
篠原 幸人
1
Hitoshi HAMANO
1
,
Yukito SHINOHARA
1
1東海大学医学部神経内科
pp.240-244
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903138
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はじめに
虚血性脳血管障害は,症候性の脳梗塞と一過性脳虚血発作(TIA),および近年注目されている無症候性脳梗塞に分けられる.これらの中で,病態や原因が比較的容易に理解できる症例は,その診断において血小板・凝固線溶系の特別な検査を必ずしも必要としない.しかし,その病態が通常の脳卒中危険因子では説明できない,特に若年発症脳梗塞を代表とする症例においては,その診断に特殊な検査を必要とする.また,その病態に応じて抗血栓療法(抗血小板療法,抗凝固療法,血栓溶解療法など)が行われることも多く,そのモニターの1つとして血小板や凝固線溶系検査を要する場合が少なくない.本稿では,虚血性脳血管障害の病態と血小板・凝固線溶系検査に関して述べたい.
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