特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の検査
2.血液凝固系の検査
12)ループス・アンチコアグラント
滝 正志
1
,
安室 洋子
2
Masashi TAKI
1
,
Yoko YASUMURO
2
1聖マリアンナ医科大学小児科
2聖マリアンナ医科大学臨床検査部
pp.138-140
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903106
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
測定意義
ループス・アンチコアグラント(lupus anticoagu-lant;LA)とは個々の凝固因子活性を抑制することなく,リン脂質依存性の凝固反応を阻害する免疫グロブリンである.当初LAは出血傾向の原因として考えられたが,出血傾向をきたすことはまれで,逆に血栓症との強い関連が知られるようになり,抗リン脂質抗体症侯群という新しい疾患概念が臨床の場に定着した.LAや抗カルジオリピン抗体(本誌別項参照)などの抗リン脂質抗体は,血栓症,習慣性流産・胎児死亡,血小板減少などの臨床症状と強い関連がある抗体である.特に後天性の血栓症との関連で注目されている.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.