特集 血栓症と血小板凝固線溶系検査
血栓症の検査
2.血液凝固系の検査
7) SFMC
日笠 聡
1
,
垣下 榮三
2
Satoshi HIGASA
1
,
Eizo KAKISHITA
2
1兵庫医科大学第二内科
2兵庫医科大学第二内科教室
pp.123-124
発行日 1996年10月30日
Published Date 1996/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903098
- 有料閲覧
- 文献概要
原理
生体内流血中でトロンビンが生成すると,フィブリノゲン(Fbg)のN末端Aα鎖16-17位とBβ鎖14-15位のarginine-glycineの結合が切断され,フィブリノペプタイドA (FPA),フィブリノペプタイドB(FPB)が遊離し,フィブリンモノマー(Fm)が形成される.Fmは互いのN末端部とC末端部が重合してフィブリンポリマー(Fp)となり,活性化ⅩⅢ因子とCa2+の存在下で安定化フィブリンへと変換する.
この際FmはFbgやフィブリン分解産物(FDP),フィプロネクチンなどとも親和性も強いため,これらと種々の複合体を形成する.これら複合体を可溶性フィブリンモノマー複合体(SFMC)と総称するが,最近は可溶性フィブリン(SF)と呼ぶことが勧められている1).
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.